11時過ぎた、いつもは明日の仕事のためにすでに寝ている頃・・・、少し落ち着いたので日記をここに記す。
高速道路を慎重に飛ばす・・・「夢であって欲しい」と、何度も心の中でつぶやく。それは、あと少しで残業も終わりというときに電話が入った。嫁はんからである。緊急以外は、電話は来ない。葬式でもできたか?
「どうした?」
「ゴメン、事故っちゃった。」
「・・・・・・・なに!?」
「交差点でぶつかった、ボーっとしてた。」
以前、嫁はんの信号無視で普通車にぶつかった事故が頭の中をよぎる・・・。
初めてではないのだ。
「で、怪我は?」
「私は大丈夫」
またもや、エアバックのお世話になったようだ・・・。
「ぅむ、相手はいるのか?」
「おじさん、いま救急車に乗っている」
「意識はあるのか?」
「ある、大丈夫みたい。○○病院に行くって」
「警察は?」
「いま来た。」
顔が青ざめ、少々体に震えが来る。この感覚は、今までに何度か味わっている。
またか・・・・。
こういう日に限って、携帯を家に忘れてきていた・・・。現場は家のすぐ近くの交差点である。とにかく、仕事はやめて高速道路で帰宅。
夢であって欲しい
家に寄り、携帯とジャンバーを持ち息子達に留守を任せて現場へ急ぐ。その交差点の信号機は、赤く点滅していた。周辺には、2台の警察車両の回転灯が見える。すでに2台のユニック車が到着して、車を積んでいた。
嫁はんの車はフロントが大破、軽トラックはボコボコになっている。(横転したとのこと)軽トラックのフロントガラスは、頭があたったらしく丸くヒビが入っていた。ハンドルも奥に引っ込んでいる、胸も強打しているかもしれない。血の気が引いていく・・・。とりあえず、たたずんでいる嫁はんにジャンバーを渡す。
ぁ~、これは現実だ・・・夢ではない。
兄に電話で応援を頼み、自分は相手のいる病院へ向かう。「神よ、我にまだ試練を与えようとするのか・・・。」病院へは、約15分で到着。
救急治療室の前には、息子さんが来て待っていた。8月に尿道結石で家族に運ばれてきた場所である。もう何年も前のような気がする・・・・。怪我の方は、たいしたことはないとのことである。しかし、心配である。
暫くして、治療室から出てきた息子さんに様子を聞くと、入院はしなくても良く自宅に帰れるとのこと、レントゲン・CTもとくに異常がないという。とりあえず、安心する・・・。
相手の方が、治療室から出てきた。車いすに乗っているのかと思ったが、歩いて出てきた、おでこにはフロントガラスにぶつけて傷を負っていたため、ガーゼと絆創膏が貼ってあった。2、3歩こちらへ歩いてきた相手の顔を見て思わず口から声が出た。
「ぁ、○○先生・・・・!」
その豪快な顔は・・・・シワは増えていたが30年前とほとんど変わっていなかった。高校時代の教師だったのである。自分のことを思い出してくれたかどうか分からないが、知らない人ではなかったので、不幸中の幸いである。しかも、元気に話しをしてくれる。良かった。さらに、親切な言葉もかけてくれる。
自分はキリスト教ではないが・・・
「ぁ~、神よ、あなたは何を私にさせようとしているのか・・・。」
病院の帰り道、ふと思う・・・・。
自宅には現場検証が終わって、兄が嫁はんを送ってきてくれていた。疲れていたところを悪かった。保険屋さんに電話をして、事故処理のお願いをした。いま、嫁はんは少し落ち着いたのだろう、どっと疲れて出たようで横になっている。会社に電話して、明日はお休みにした。まず、お見舞いに行って、それから、保険屋さんと事故処理の話をし、フロントがほとんど無くなっていた嫁はんの車も見に行かなければならない。まだ新車から1年しかたっていない、平成22年までローンが残っている・・・。
そういえば、明日は三男の小学校最後の音楽会で嫁はんは休みを取っていたのである。時間が空いて、聴けに行ければ行くことにしよう。
長男の大学合格の喜びもつかの間、
世の中は、一寸先は闇、何が起こるか分からない・・・・。
静かに暮らしたい・・・・。
とりあえず、
闇の中の一筋の光に向かって、今を生きるしかないだろう。
さぁ、寝よう。
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